カメラを持って散歩するのが楽しい。写真は、絵と違って自分の好きなように描けないので、ほとんど偶然の産物。
面白い色や形を見つけたら「うまく撮れますように」と息を止めてシャッターを切る。現像して、ちゃんと写っているとうれしいが、おれの手柄ではない。おれの手柄は「面白いものの近くにカメラを持って行って、シャッターを切った」というだけ。
街角にピカソが立っていて、絵の具を投げつけてくる。その絵の具をフィルムにベッタリ塗りつけるような気持ちでシャッターを切った時の写真。