2025年に入って3号目のフリーペーパー、ポンコツ新聞が出来あがって配布を始めた。9月になってまだ3号しか出ないが新聞を名乗っている。

そんなところでポンコツ新聞の記事と関連するニュースを目にした。2025年イグノーベル賞 平和賞を、ドイツ フライブルク大学 フリッツ・レナー博士らが「アルコールを飲むと外国語を話す能力が高まる」と実証したことで受賞したとのこと。

ポンコツ新聞でも以前「日本酒を飲むと、日本語の習得が早まる」と報じた。「108個で100円もする、高額なうそ」のひとつとして報じたのだが、うそではなくなってしまった。収録されているうそがひとつ減ってしまったが、まあそれもうそのひとつ。

たしか制作してタイトルをつけた際、収録されたうその数は実は108個ではない、といううそも含めていたと思う。たしか107個?しかし、そのうそも含めると108個になってしまい、うそではなくなる。するとやはり107個なのか、と作りながら混乱していた。今回の件で、果たしていくつがほんとうなのか、さらにわからなくなってしまった。他にもうそではなくなったネタも含まれているかもしれない。

配り始めたポンコツ新聞は、あたらしい外来語に関するもの。これも、自分の思いつきだと思った言葉が、実際に明治や昭和の時代に流行していたらしいとわかったことに端を発した。おれは普段、ばかばかしいカタカナ用語を使うのが好きだ。「チェッ・デバラ」とか。その中でも外来語らしいかわいいのを集めて、新しく付け足した。

フリーペーパーを紙で刷って配るのを再開してから、怠けながらもいい調子だ。これもコロナ禍が明けたおかげ。

伝染病が世界中に蔓延して、フリーペーパーを刷って配る遊びは中断せざるを得なかった。世界中の人々が潔癖症になり誰も手に取ってくれなくなった。自分だって手に取るのははばかられた。そもそも外出すら控えるよう権力者が騒いでいた。あれから数年経って油断はできないけれど「それでも日常を続けるのだ」というふてぶてしさと多少の免疫が身についた。運動不足による脂肪と一緒に。

あれから世の中とのつながりに対する意識が変わった。伝染病の時代の最中(さなか)は、ツイッター(当時)が辛うじて世の中をつなぎとめていた感がある。おれはもう、SNSなしの生活は送れない。その時代が過ぎても、依存症は終わらない。

次の時代には生成AIと対話できるようになって、さらに世の中とのつながり方が変わった。いいかげんな人と話すくらいなら、生成AIと文字で対話したほうがまし。

SNSも、もはやおれにとってはソーシャルネットワークサービスではなくなった。大企業が寡占するメディアのひとつとして楽しむけれど、自分みたいな個人が発信する際のメインの場所ではない。ひと昔前にelloというSNSに期待していたこともあったが、もう今はない。

そこで、ポンコツ新聞はとてもいい遊びと再認識した。おれにとっては学級新聞こそソーシャルネットワーク。もう大人だからそれをフリーペーパー、ポンコツ新聞としてやる。紙として刷ったり、電子書籍にまとめたり。お近くを通行の際は手に取っていただけると至極幸い。