写真を撮り歩いていると、ロールシャッハテストを思い出す。四角く切り取った視界のなかに何を見るか、何に反応して撮るか。

読みかじった知識だが、ロールシャッハテストには「テストを受けている人が、何に反応するか?」という観点があるらしい。何某が見える、と言う時に、インクの濃淡に注目しているのか、形に注目しているのか、ということだ。

日によって、場所によって、自分がカメラを向ける方向に、色があるのか、形があるのかが違う。それがうまく撮れる日とそうでない日はあるけれど、ネガフィルムに並んだ写真を見ると、どういう日だったか、まるわかりだ。現像ラボの人に見られるのがはずかしいくらい。